2021年3月17日、アダストリアと新静岡セノバから商業施設で働くショップスタッフのサステナブルな働き方を実現する『ささえあう 働く時間プロジェクト』をスタートすると発表されました。
セノバを運営する静鉄プロパティマネジメントの川井敏行社長からは「商業施設の閉塞感はコロナ禍以前から広がっていた。売上高優先主義の中で無理が生じており、テナントとデベロッパーの関係性を見直すべき時期に来ていた。消費者の時間の使い方が多様化している中で、商業施設だけ時間設定が一律になっていることで、非効率を生んでいた。テナントとデベロッパーの間で、売上高と賃料という従来の契約条件に変わる新しい関係性を築いていきたい」とコメントしています。
具体的には、
・営業時間に”コアタイム(11時~19時)“を設定し、館の営業時間10時~21時の中で、開店・閉店時間は各ショップの裁量で設定できる「営業時間フレックスタイム制」
・全館休館日に加え各ショップが年に2日休業日を設定できる「店舗別休業日の導入」
・この他、飲食店等の営業時間短縮
さすがにこの発表には驚きました。
確かに、営業時間を全店統一しているのは、日本の特徴。
外国に行くと10時になっても開いている店もあれば11時から開く店もあったり、かなり、ゆるゆるな運営をしている施設は多く見られます。
これまでの日本では、集団行動や規律を重んじ、朝10時には店頭に「立哨」という直立と来店者にはお辞儀をする儀礼を実施している商業施設が多くあります。
ここに大きな風穴が空く。
過去、権利者区画のある再開発ビルなどでは、店舗によって休業している店があることも良く見られましたが、最近はほとんど見られなくなりました。
今回のセノバの発表では2日間の休業も認められていますので、休業している店舗が出てくるということですね。
10時に行ったら開いていない店舗を顧客がどう感じるか。
自分の店舗の隣の店舗が休業や早期閉店する状態を出店者(テナント)の方達がどう受け止めるか。
非常に興味深いです。
でも、これもコロナ禍の1つの結果。
これまでの年中無休、24時間営業、長い営業時間、この状況を見直す時期に来ている、と感じます。