各団体から2020年12月の売上高が発表になりました。
12月の売上高の前年比は、
チェーンストア +2.7%
SC ▲14.4%
百貨店 ▲13.7%
相変わらず、最寄り品を多く扱うチェーンストアの成績は安定している他方で日常的な実需とは異なる消費財を扱う店舗や国内外の旅行客をターゲットにした店舗など外出自粛によって消える消費は大きいようです。
2021年1月21日、日本チェーンストア協会が、いち早く2020年の年間売上高を発表しました。
グラフから分かるように前年を0.9%上回っています。
前年を上回るのは5年ぶり。
同協会の発表では、
1.テレワーク、学校休校等による内食化需要が増加、食料品は総菜部門を除き好調に推移。
2.衣料品は、外出自粛もあり季節商品が動かず、加えて営業自粛を実施したことから過去に例のない厳しい状況。
3.住関品は、巣籠もり需要もあり6月以降は、日用雑貨品、家具・インテリアを中心に堅調に推移。
4.10月以降は、感染拡大から、食料品は内食化需要が増加し好調に推移、衣料品は、厳しい状況が続き、住関品は、感染症対策関連商品を中心に堅調に推移。
と分析、我々の肌感覚とかなり一致します。
2021年1月22日、百貨店協会からも年間売上高が発表されました・
結果は、前年に比べ▲25.7%、売上総額4.2兆円。
かなり厳しい結果ですね。
でも、25%は相当の落ち込みとは思いますが、逆によくここで踏みとどまったという印象です。
休業期間もあり、イベントやインバウンド客の消失など年間を通して大きなダメージが続いたにも関わらず、25%で済んだことは百貨店の皆さんの底力を見たような気がします。
むしろ、2020年12月のSCの売上高は▲14.4%。
百貨店の▲13.7%を下回る結果となりました。
この結果が何を意味するのか。
一過性のものでしょうか。
今、デパ地下や高額品は百貨店に行く。
でも、密を避けるためや外出自粛によって消費需要が減退した消費者にとって、日用衣料や雑貨などを中心に扱うSCの利用動機は減少し、購買先はECに移っているのでは?
そんな国民の消費スタイルや消費場所の変化の表れを感じます。
そして、気になるのは、今年に入り最寄り品を扱う場所まで人が出掛けていない数値が出ています。
緊急事態宣言も2回目になり、国民は買い溜めなどの行動を採ることも無く、外出自粛が進んでいる結果かもしれません。
下記は、業態別をまとめた売上高グラフです。
(SCとECはまだ発表されていないので2019年の数値となっていますので参考程度に見てください)