SCアンドパートナーズ

Vol.474 「2020年のSC数値と概況」

2020年12月23日、(一社)日本SC協会による定例記者懇談会が開催され、2020年のSC概況の速報がありました。

その中から主だったものをグラフにして下記に掲載します。

SCの総数は2019年、減少に転じました。

その傾向は今年も続き、総数は3,207カ所へと減少しています。

SC総数の減少には3つの数値要因があります。

1.新しSCの開発 → 増加要因

2.既存SCの閉鎖 → 減少要因

3.減床(減築)や用途転換などによりSCの定義から外れるもの → 減少要因

この差し引き合計がSC総数を規定します。

それが下記の2枚のグラフに見ることができます。

開業数は減少していますが、関東エリアでは増加しているようです。

開業したSCの面積は概ね例年通り、1万㎡以下のものが半数をしめています。

注目すべきは下記のグラフ(テナントの業種構成比)です。

モノが売れないと言われる時代を背景に物販が減少し、飲食とサービスが増加しています。

その物販の中でも「衣料品」の減少が大きく、2020年は17%まで減少しています。

この物販から飲食・サービスへの転換は、どこのSCでも大きなテーマだったのですが、コロナ禍によって食物販は支持されつつも、飲食店(レストラン等)やサービス店へのダメージは大きく、大きな課題となっています。

下記のグラフは、全国にSCの店舗面積とテナント数を表したものですが、驚くのは16万を超えるテナント数です。

果たして、コロナ禍が収束したとしても人口減少下において、この16万区画は埋まり続けるのでしょうか。

2018年、「SCは斜陽産業か」を発表しました。

その次の年、図らずも減少に転じ、そして、コロナ禍。

恐らく、このスピードは加速されるのでは無いでしょうか。

(まだ読んでいない方は下記に添付しますのでご一読ください。
SCは斜陽産業か(西山貴仁)

2年前の寄稿ですがヒントになると思います。

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株式会社 SC&パートナーズ

代表取締役西山貴仁

東京急行電鉄(株)に入社後、土地区画整理事業や街づくり、商業施設の開発、運営、リニューアルを手掛ける。2012年(株)東急モールズデベロップメント常務執行役員。2015年11月独立。現在は、SC企業人材研修、企業インナーブランディング、経営計画策定、百貨店SC化プロジェクト、テナントの出店戦略策定など幅広く活動している。小田原市商業戦略推進アドバイザー、SC経営士、宅地建物取引士、(一社)日本SC協会会員、青山学院大学経済学部卒。

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