SCアンドパートナーズ

Vol.455 「スーツ(紳士服)の将来は?」

昨日、百貨店の紳士フロアに行った。

そこに広がる光景(空き区画と仮囲い)にとても悲しい思いがした。

はたして、この紳士服を代表するビジネススーツ達は今後、どうなっていくのだろう。

ざっくりスーツを着る方を考えると、

1.スーツを着ないといけない人(着ることがマストの人)

2.スーツを着なくても良い人(着る必要の無い人)

3.スーツはTPOで着る人(着たり着なかったり)

4.スーツを着たくない人(理由は様々)

5.スーツを着たい人(積極的に着たいおしゃれな人)

と、分類してみると、昔の日本では圧倒的に「1.スーツを着ないといけない人」が多かったように思う。

とにかく、会社員になったらスーツを着るものだ、と。

私の20代の頃は、紳士服売り場の人に「夏でも長袖Yシャツを着て上着を手に持つものですよ」と言われた。

ネクタイという紐で首の動脈を締め、長袖Yシャツを着て、上着を腕に掛けた姿が当たり前と思っていた。

(それはそれは暑かった)

でも、その時代の日本は今のように暑くは無かった。

30℃を超えることもそれほど多くなかったし、それこそ今年のように40℃を超えるなど想定もしていなかった。

でも、近年の夏の暑さは、首の動脈を締めるのはさすがにつらい。

(今年はこれにマスクが加わった)

幸い、省エネ意識の高まりからノータイ、クールビズが広がり、通勤もかなり楽になったけど、ネクタイメーカーやスーツメーカーの方には厳しい時代と思う。

では、どうしたら良いか。

「1.スーツを着なければいけない人」の減少
「2.スーツを着なくてもいい人」の増加

この傾向は今後も進むし、団塊世代の3分の1しか子供が生まれていない今、スーツのマーケットはシュリンクする。(スーツに限らないが)

だからと言って、「2.着なくていい人」に無理矢理着せようとするマーケティングは、難しい。

ここは、スーツが売れた時代を取り戻したいと考えるより、時代に合わせることを考えるべきだろう。

とすると、

1.スーツを着ないといけない人(着ることがマストの人)

3.スーツはTPOで着る人(着たり着なかったり)

5.スーツを着たい人(率先して着たい人)

この3人の方にスーツを売ることになる。

・減少する「スーツを着ないといけない人」

・TPOで「着たり着なかったりの人」

・おしゃれで「スーツを着たい人」

この3人だ。(単純過ぎるか)

いずれにしてもこれまでよりマーケットは小さい。

ということは、今後、紳士のスーツは、ニッチ産業になっていくのではないだろうか。

だから、昔のように日本全国津々浦々まで紳士服フロアに並べるマスマーケティングは難しく、国民のニーズに合わせた売り方をするしかない。

とすると、

①「スーツを着ないといけない人」市場

②「着たり着なかったりする人」市場

③「スーツを着たいおしゃれな人」市場

この3つの市場。

実は、この市場に向けた売り方(商品の作り方)で前年を超え続けている企業も多い。

スーツを着る(着たい)人は必ずいる。

ただ、残念ながら市場は縮小する。

この縮小することを真正面から受け止め、商品企画、製造、規模、量、流通チャネルを工夫する。

でも、ニッチ市場は単価を上げることが可能となる。

逆にテクノロジーを駆使して安価に提供することも出来る。

ニーズごとにマーケティングする。

これしかないだろう。

香港や台湾に行くとスーツを着た人を見ることは少ない。

亜熱帯化している日本でスーツを売ることは本当に難しいと思う。

それでもスーツのビジネスを続けるならば、市場規模とニーズにセグメントしていくしかない。

ちなみに私は「スーツは着たいけど暑くてついついカジュアルになってしまう人」です。

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株式会社 SC&パートナーズ

代表取締役西山貴仁

東京急行電鉄(株)に入社後、土地区画整理事業や街づくり、商業施設の開発、運営、リニューアルを手掛ける。2012年(株)東急モールズデベロップメント常務執行役員、渋谷109鹿児島など新規開発を担当。2015年11月独立。現在は、SC企業人材研修、企業インナーブランディング、経営計画策定、百貨店SC化プロジェクト、テナントの出店戦略策定など幅広く活動している。岡山理科大学非常勤講師、小田原市商業戦略推進アドバイザー、SC経営士、宅地建物取引士、(一社)日本SC協会会員、青山学院大学経済学部卒、1961年生まれ。

Facebook:西山貴仁 -SC & パートナーズ-