ダイアモンドチェーンストアの連載で、消費(しょうひ)と浪費(ろうひ)について書いたところ、多くのご意見をいただきました。
「納得!」というご意見から「浪費と言う呼び方が良く無い!」というご意見までいろいろありがとうございました。
あくまでも浪費は消費の一つだと思っています。
何かを消費(費消)することに変わりは無く、その消費のうち、ぜいたく消費とか、付加価値消費とか呼ばれる不要不急のものを今回は「浪費」と呼ばせていただきました。
浪費と言うと無駄使いのイメージで悪いというご意見もありましたが、本連載の中では「良い浪費」という表現をし、その良い浪費によって我々の生活に潤いや豊かさをもたらすことも解説していますので、是非、ご一読いただければと思います。
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そして今回は、この「消費浪費仮説」を数値データで解説しました。
それが、これです。
このグラフは、googleが公表している「COVID-19(新型コロナウイルス感染症): googleコミュニティモビリティレポート」から、流通業に必要と考えられる「小売り、レクリエーション」「食料品、薬局」「乗換駅」のデータだけで作成したものです。
一目瞭然だと思いますが、私が消費と表現した生活に必要な食料品や薬品はそれほどの落ち込みもなく、むしろプラスにも働いています。
それに比べて小売・レクリエーションの落ち込みと、緊急事態宣言後も下方を動いています。
都内のSCの方が言っている「4割ダウン」とこの数値は一致します。
そして、鉄道各社も四半期の赤字を発表したばかりですが、やはり乗換駅の流動は落ちたままです。
この傾向は東京だけでは無いかと思い隣接の神奈川県を分析すると傾向としては同じものの小売・レクリエーションが戻りつつあるのが分かります。
では、日本の中間に位置する静岡県ではどうでしょうか。
徐々に戻ってきていますね。
百貨店企業の方が「東京店の落ち込みは戻らないけど地方店の方が徐々に戻ってきている」というコメントがここでもよく分かりますね。
では、今、感染者が多く出ている沖縄はどうか。
これを見ると夏休みに入った7月中旬に急激に戻ってきたものの最近の状況でまた下方に動いています。
ここで私が主張したいのは、
1.日頃、SCや百貨店は生活に必ずしも必要の無い不要不急のものを売っていることを認識すること。そして、必要の無いものを売るためのマーケティング手法を常に考えていかないといけないこと。
2.お金を使うことを消費と呼び、使う人を消費者と呼んできたが、実は、2つの消費があったということ。
3.売上は、この「小売・レクリエーション」が戻らないとこれまでの営業成績は望めないため長期戦を覚悟しつつ、今、顧客が何を求めているのか見定め、対応すること。
4.今後、こういった疫病などで不要不急なものが売れなくなっても経営が揺らがないような新規性のあるものや新業態などに傾倒することなく、盤石なポートフォリオ経営を考えること。
以上4つです。
今、海外旅行が出来ないため、一部の富裕層によって高額品が売れています。
でも、それは一部の話。
コロナ禍をきっかけに今後、我々の社会は変わってきます。
以前のように戻るまでジッと待つのか、それともこの機会をチャンスに変えるのか。
今、皆、冷静に考え始めました。
今後、企業がどのような行動を起こすのか、これまでの貯金(内部留保)を使い果たしたこの下期から来年が正念場になると思います。
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https://diamond-rm.net/management/62062/