商業施設の開発では、よく「ハードよりソフトが重要だ」と言われます。
これは顧客にどんな価値を提供するのか、そのテーマがあってハードが出来上がるものであってハードありきではない、と。
確かにこれは間違っていない。
ただ、最近、ソフトよりハードの方が重要ではないか、と実は感じている。
このハードとは、外観、シェイプ、空間環境、動線などを指す。
要は一度作ったらそう簡単に変えられないもの。
外観やシェイプは変えられないし、エレベーターやエスカレーターの位置もそう簡単には変えられない。
でも、そこに入れ込むものは変えること出来る。
ハードよりソフトの方が重要だ、というコメントは過去に商業施設として使いにくい建物だったり、顧客利便性を損ねる動線だったり、そういったものを作ったことの反省の上に立ってのことと思う。
でも、今は顧客の意識や社会変化のスピードは速い。
だから、その変化に応じてソフトはどんどん変えていかないといけない。
その時、ハードは簡単には変えられない。
では、どうしたら良いのか。
それはその場所の歴史や広場や公共空間や雰囲気や動線や感動や共鳴を生む建物。
100年経っても古びれない、市民に愛される建物と空間とたたずまい。
それをここニューヨーク州立図書館を見ると改めて感じます。
この写真を見て分かるように皆、パソコン。
ここが作られた時代では想像もつかない風景だろう。
でも、何の違和感も無い。
ここにヒントがありそうです。