SCアンドパートナーズ

Vol.296 「駐車場をセンターに配置する3つのメリットとは」

商業施設を建設する際、特に郊外のRSC(リージョナル型)の場合、相当数の駐車場台数を必要とする。

したがって、平面駐車場だけでなく、立体駐車場を建設する。

この時、商業棟と駐車場棟とは、構造も工法も変わり、建設コストを圧縮するため各階の階高(天井高)も異なる。

したがって、下記の断面図のように完全別棟にしてそれをブリッジでつなぐ構造を取ることが多い。

時には1棟にして、駐車場棟と商業棟を分離することもある。

このパターンは、とにかく工事費の圧縮に効果を表す。
元々、構造の異なるものだから縁を切ることにメリットが大きく生じる。

ただし、ここ大きなリスクが潜む。

それは、まず、外観だ。

近隣住民に、いつも大きく無機質な駐車場棟を見て暮らすことを強いる。

そして、車で行くと、まず大きな駐車場棟が目につき、買い物のモチベーションにはつながりにくい。

挙句、ダブルスパイラルという斜路でくるくる回りながら駐車場を上がり、ようやく停めても商業棟とは階高が違うのでどこに停めたのか分からなくなることもしばしば。

これが決して悪いというわけではない。
プロジェクト収支を考えれば至極当然だし、やむを得ない選択だ。

ところが、これを解決する方法がある。

それは、今回の南町田グランベリーパークなどいくつかのショッピングセンターが採用している駐車場棟を敷地のセンター(中心)に配置するケースだ。

「駐車場センター配置パターン」

駐車場を敷地の中心(センター)に配置した場合の断面図(立面図)は下記のようになる。

ここには大きく3つの利点がある。

まず1つ目。

外周部から見ると視線の先には、商業用建物だけが目に入り、駐車場棟が見えない。

人の目には2階だけの低い(低層の)建物に見える。

したがって、空が広いのだ。

この商業棟をビレッジ風に作れば、それこそ、住宅地に溶け込むことも出来る。

そして、もう一つの利点が、完全歩車分離だ。

駐車場への入庫動線は敷地の下になるので、お客様の動線とは錯綜しない。

安全だ。

3つ目の利点は、駐車場が中心にあるので、お客様は満遍なく訪れることとなる。

これが上段の駐車場別棟型だと、駐車場側の区画とそうでない区画では、人の流動量に差が生じる。

でも、このセンター配置型には駐車場からのアプローチによって区画の差が生じない

合理的である。

一階を店舗にすれば敷地を最大限有効に活用することが出来る。

もし、今、商業施設開発の計画をしている方がいれば検討の一つに加えてみてはどうだろう。

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株式会社 SC&パートナーズ

代表取締役西山貴仁

東京急行電鉄(株)に入社後、土地区画整理事業や街づくり、商業施設の開発、運営、リニューアルを手掛ける。2012年(株)東急モールズデベロップメント常務執行役員、渋谷109鹿児島など新規開発を担当。2015年11月独立。現在は、SC企業人材研修、企業インナーブランディング、経営計画策定、百貨店SC化プロジェクト、テナントの出店戦略策定など幅広く活動している。岡山理科大学非常勤講師、小田原市商業戦略推進アドバイザー、SC経営士、宅地建物取引士、(一社)日本SC協会会員、青山学院大学経済学部卒、1961年生まれ。

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