今朝の新聞に地方行政による企業誘致促進の記載があった。
企業の事業所が増えれば働く場所が生まれ税収の増加も期待できる。
そこに異論はない。
でも、その発想でうまくいっている街や地方自治体はどれほどあるのだろうか。
これまでも工業団地とか、研究施設の集積などを名目に多くの補助金を導入した団地開発が行われてきたが、街づくりや活性化に重要なのは誘致ではなくて、その場所、土地、地域から産業が生まれていくことだと思っている。
例えば、シアトル。
ボーイングに始まり、マイクロソフト、Amazon、スターバックスコーヒー、REI、コストコ、挙げればキリが無いほど多くの企業や産業が生まれている。
でも、シアトルの人口はわずか72万人。
この72万人の街に世界中から人々が集まる。
日本からも7,000キロを超えて、そのわずか72万人の街シアトルを訪れる。
日本にも70万人台の市町村はたくさんある。
ポテンシャルは変わらないはず。
企業誘致も大切。
でも、そこから産業や技術やサービスが生まれていく土壌が必要なんだろうと思う。
では、その土壌はどうやって作られるのか。
こんなことを言うと、
すぐ「インキュベーション施設」として箱モノを作る。
補助金を出します!と始まる。
〇〇プログラムやコンテストします!とイベントものに走る。
シェアオフィスを作ったってイノベーションなんてそう簡単に生まれるものでもない。
なぜ、シアトルでは次々と新しいものが生まれるのか。
これから地域から発信されるビジネスや産業をもっと重視することが街づくりや町おこしには大切な時代になると思う。
人口減少時代、外から人を呼び込むことと並行して、人が外へ出ていかない街の魅力。
地域に根差す文化や自然や食や歴史やアイディアと創意工夫。
それが問われる時代へ。
ケリーパークから見たシアトルの街。雨も多い気候と美しいエリオット湾。日本に気候も似ていると思う。