SCアンドパートナーズ

Vol.175 数値で見る2018年SC開発

2019年5月21日、(一社)日本ショッピングセンター協会から2018年の数字が発表されました(SC白書)。
昨年12月の記者懇談会の時に発表された速報値とはSC総数が変更されたり、テナント業種別数値が追加されたり、新しい情報あるのでここで報告します。

まず、総数
2018年末、日本におけるSCは3,220カ所となりました。
(昨年12月の速報値では3,224カ所でしたので、この間、セミナーなどでこの数値を使用してきていますので、受講された方はお手数ですが、数字のアップデートお願いします。)

グラフを見ると右肩上がりに増えていますが、2018年は開業数が37カ所、閉店等SCが34カ所、差し引き、わずか3カ所の増加となりました。

総売上高は、32兆6595億円。
日本の小売業販売額は144兆9650億円(商業動態統計調査)なので、32兆6595億円÷144兆9650億円=22.5%。
日本の小売業販売のうち、ショッピングセンターのシェアが5分の1。
そんなにショッピングセンターで買ってる?と思いますが、数字上はそうなります。

このグラフにある百貨店の売上高は百貨店協会から発表されたものを記載しています。
過去9兆円あった百貨店売上高も5.8兆円とかなり低下しました。
ただ、商業動態統計調査では、百貨店売上高は、6兆4434億円となっていますので注意してください。

詳しい統計調査が無いので正確なことは分かりませんが、百貨店でテナント賃貸に切り替えた売り場の売上高(テナント取り扱い高)を加えればここまで低下していないのでは?とも思います。
SCでは自らの売上げでも無いテナント取扱高を「売上げ」として発表しているわけですから百貨店も同様に計上しないと正しい消費動向が把握できないのでは無いかとも思います。

今回、発表されたデータの中で特筆すべきな点は以下のテナント業種構成比です。

これまでSCに出店しているテナントの業種構成比を「物販」「飲食」「サービス」の3区分でした。
近年のアパレルの不振、食の伸張を考えるとこの「物販」の中身が気になっていたところ、タイムリーに物販を「衣料品」「食物販」「その他の物販」と細分化されました。

このことにより、物販59%の内訳が衣料品19%、食物販12%、その他物販28%であることが分かりました。
やはり、この衣料品18%には驚かされます。
最近のSC開発において、アパレルは30%という数字が通説になっていましたが、ここでは18%。
予想以上に低い数字になっています。
百貨店ではアパレルが40%前後と言われますので、その低さが特筆されます。

また、飲食22%と食物販12%を合わせると34%。
もう3分の1が食関連が占めるに状況になっています。
確かに近年のリニューアルでアパレル雑貨ゾーンが食ゾーンに切り替わることも多く。この数字も頷けるものです。

実は、この業種構成比以上に驚いたことがあります。
それが開業数と閉鎖等SCの数字です。

2018年に開業したSCは37カ所。
閉鎖等SCが34カ所。
その差3カ所。
ほぼ拮抗しています。
2019年はオリンピック前でもあり、開業数は40カ所を超えると予想されていますが、ここ数年は開業数の減少と閉鎖等SCの増加の傾向に変わりはありません。
まさか、この開業数と閉鎖等の数字が逆転する、などと言うことを予想したくはないですが、百貨店の閉店が対岸の火事では無くなる可能性も十分に予想されます。

ただ、この閉鎖等SCも単に売上げ低迷でアメリカのようなデッドモールになっているわけではなく、市場環境の変化に合わせて建て替えや用途変更など前向き、かつ積極的なものも多数含まれています。

どうでしょう。

これらの数字から多くのことが見えてきませんか?

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株式会社 SC&パートナーズ

代表取締役西山貴仁

東京急行電鉄(株)に入社後、土地区画整理事業や街づくり、商業施設の開発、運営、リニューアルを手掛ける。2012年(株)東急モールズデベロップメント常務執行役員。2015年11月独立。現在は、SC企業人材研修、企業インナーブランディング、経営計画策定、百貨店SC化プロジェクト、テナントの出店戦略策定など幅広く活動している。小田原市商業戦略推進アドバイザー、SC経営士、宅地建物取引士、(一社)日本SC協会会員、青山学院大学経済学部卒。

Facebook:西山貴仁 -SC & パートナーズ-