SCアンドパートナーズ

VOL.1114 「日本のアナログの原因は弱者保護にある」

「誰一人、取り残さない」

よく、政治家が言う。

確かにこの言葉は聞こえは良い。

聞く側も安心する。

だから、何か新しい仕組みを導入しようとすると「使えないお年寄りはどうするんだ」と社内から声が出る。

この声によって、いつまでもSCのキャッシュレス化も進まない。

でも、キャッシュレス化に踏み切った施設からは「色々、心配されたけど、今後はキャッシュレスを基本に考える」という声も多い。

日本は、現金に対する信頼度も高く、汎用性もあることから現金志向は強い。

中には「俺は現金主義だ」と信念めいた主張もある。

しかし、この一部の人のために社会全ての技術革新を止めてしまうのは良いことだろうか。

ここで誤解してほしくないのは、弱者保護を否定しているわけではない。

だから着いてこれない方には別なサポートプログラムを用意すれば良い。

そうこうしているうちに皆、慣れてくる時が来る。

ただ、残念ながら「着いていかない」と宣言した方にはその範囲で生活をしてもらうしかない。

一旦海外に出ればキャッシュレスは当たり前であり、現金が使えないところも多い。

「俺は現主義だ」と言う方は海外旅行には行かないと決めたわけだから、それはそれで尊重する。

でも、その方に社会全体を合わせた結果が、今の日本の遅れと弱さに他ならない。

今、海外旅行に行く時、両替をせずに行くことが多くなった。

空港内はキャッシュレス、車もUBERかGRAB、地下鉄もVISAタッチ、支払もタッチ決済、現金を使うタイミングがほとんど無い。

日本では、交通系ICカードへのチャージもクレジットカードが使えないと言う。

どれだけ遅れているんだろう。

弱者保護と技術革新

これは別個の問題

切り離そう。

弱者保護には、福祉とサポートプログラム

技術の進歩には、キャッチアップ

これらを切り離し、別々に考え、別々に進める。

それが今は大切

第118回 キャッシュレス社会への適応がSCの分岐点

この記事を共有する

CONTACT USお問い合わせ

これまで問い合わせ用メールアドレスをこちらに記載していたのですが、最近、営業メールの数が看過できないほど増えてきており、大変心苦しいのですが一旦閉じさせて頂きたくことになりました。
事情ご賢察の上、ご理解くださいませ。

株式会社 SC&パートナーズ

代表取締役西山貴仁

東京急行電鉄(株)に入社後、土地区画整理事業や街づくり、商業施設の開発、運営、リニューアルを手掛ける。2012年(株)東急モールズデベロップメント常務執行役員。2015年11月独立。現在は、SC企業人材研修、企業インナーブランディング、経営計画策定、百貨店SC化プロジェクト、テナントの出店戦略策定など幅広く活動している。小田原市商業戦略推進アドバイザー、SC経営士、宅地建物取引士、(一社)日本SC協会会員、青山学院大学経済学部卒。

Facebook:西山貴仁 -SC & パートナーズ-