あまりテレビは見ないのですが、NHKの大河ドラマは観ます。
歴史が好きだし、人の生き方を映像化することに惹かれて。
今年は、西郷隆盛を題材にした「西郷どん」でした。
ドラマ自体は、最初に司馬遼太郎で読んだ西郷隆盛像と異なる点が多かったり、史実をあまり丁寧に扱っていなかったのでやや違和感があったものの最後まで楽しみに観ていましたが、意外に視聴率は伸びなかったようです。
このドラマを通して一番感じたのは、「明治維新は誰を一番幸せにしたのだろうか?」でした。
西郷隆盛を始め、吉田松陰、伊藤博文、坂本龍馬、中岡慎太郎など多くの志士たちは若くして亡くなったり、暗殺という不遇の死をとげたり。
そして、新しく樹立された政府による富国強兵の結果、日本は戦争に突き進むこととなり、先の大戦では310万人もの方が亡くなりました。
江戸の太平は300年続き、多くの文芸を生み、平和国家を享受しました。
そこに黒船。
鎖国の終了は遅かれ早かれ訪れたでしょう。
でも、第二次世界大戦が終了してから未だ70年余り。
太平の世は江戸時代に比べれば短いもの。
この間、我々の諸先輩方の苦労で高度成長を迎え、今の平和な世の中が訪れています。
だから、この明治維新を通して一番幸せになったのは、今を生きる我々なんじゃないだろうか。
と思うのです。
今は、餓死することもなく、飢饉におびえることもなく、身の危険にさらされることはほとんどありません。
健康保険や厚生年金などで守られ、最近では「人生100年時代」と言われるようになり、働き方改革と「働いてばかりでなく早く帰りなさい」と言われる時代です。
人口減少や高齢化など不安要素はあるものの空前の人出不足と戦後最長の好景気とまで言われる現代。
多くの犠牲の上で我々の幸福があることを感じながら西郷どんを観ていました。
追伸
あとテレビ番組では「チコちゃんに叱られる」を観ています。