SCアンドパートナーズ

VOL.1069 「2019比を追いかける意味はあるのか」

『2019年比は正しいのか』

今、インバウンド需要も加わり、都市部の消費は好調を維持する。

その時のメッセージには必ず、2019年比が記載される。

2019年と比較することで、コロナ禍で落ち込んでいた時期と比べるのではなく、落ち込む前の数値と比較することで、真の伸びを考えたいからに他ならない。

だから「コロナ前を超えた!」は、かなりなトロフィーとなる。

「2019年比」

これはこれで、KPIの一つとして、指標の一つとして、意義もあり、否定されるものでは無い。

でも、少し、斜めから見ると、「このコロナ禍の3年間、何をやってたの?」と言う疑問も湧く。

コロナ禍の3年間、緊急事態宣言による閉店やまん延防止等措置による営業制限をジッと我慢していただけなのか。

3年前と同じことをやり始めている。

でも、この間、デジタル化への取り組みなど色々模索したはずなのに元の木阿弥。

元通り。

と言うことは、また、感染症などの災禍に見舞われれば同じことになる。

本来は、今、2019年とは異なったビジネスを始めているか、それまでのビジネスモデルを変えているか、どちらかでないとならないはず。

2019年比を追い掛けているのは、コロナ禍はピンチで終わりチャンスに変えられなかったことを意味する。

一方で、コロナ禍をチャンスに変え、新たな取り組みをしている人たちもたくさんいる。

これからも2019年比、追い掛けるのか。

それは一旦置いておいて、違う道筋を描くのか。

この差は大きい。

2019年比を超える=3年間はゼロ成長と言うこと。

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株式会社 SC&パートナーズ

代表取締役西山貴仁

東京急行電鉄(株)に入社後、土地区画整理事業や街づくり、商業施設の開発、運営、リニューアルを手掛ける。2012年(株)東急モールズデベロップメント常務執行役員。2015年11月独立。現在は、SC企業人材研修、企業インナーブランディング、経営計画策定、百貨店SC化プロジェクト、テナントの出店戦略策定など幅広く活動している。小田原市商業戦略推進アドバイザー、SC経営士、宅地建物取引士、(一社)日本SC協会会員、青山学院大学経済学部卒。

Facebook:西山貴仁 -SC & パートナーズ-