SCアンドパートナーズ

VOL.1048 「SC白書から見る2023年SCの動きと注視ポイント」

今年も日本SC協会からSC白書が発刊されました。

SC白書
https://www.jcsc.or.jp/sc_hakusho_digital/2024/index_h5.html#%E3%80%80

この中から主だった数字をグラフ化しました。

まず、数字をカウントするためには基準が必要です。

そのカウント基準は上記の通りとなりますが、こちらは時代の流れに合わせ、近々、修正されるようです。

まず、結論から言うと、2023年開業SCは、34か所

この数字は、2018年をピークに減少を続けているようです。

続いて、開業SCの推移と閉鎖等SCの推移です。

開業数が減少する一方、閉鎖等SCが増加しています。

この閉鎖等の「等」とは、減坪や他用途への転換などによって、前述の「SC定義と取り扱い基準」を満たさなくなり、SCから外れた数も含まれますので、単純に閉鎖だけではなく、色々な事情があるようです。

開業SCの平均面積は、ここ数年、2万㎡を下回る数字で推移しています。

ニュースになるのは大型SCが多いので、意外に小さめな印象を受けると思いますが、実は開業のうち、大きなRSCはそれほど多くありません。

これで見ても2万㎡以下で7割を占めています。

特徴的なのは、テナント業種の推移です。

この数字は、面積ではなく、店舗数のカウントなので、衣服のテナントの面積が13.4%ということではなく、店舗数が13.4%ということなので注意して下さい。

ただ、確実に衣服は減少し、食物販と飲食は増加しています。

結果、2023年、日本のSC数は、3,092か所となりました。

日本では、高度成長期から70年代80年代に建てられた物件も多いので、それらが建て替え時期を迎え、解体と建て替えが進んでいますし、今後、ますます増加することは明らかですので、その建て替え後、どのような用途で再開発がされるのか。

そこにこの数字の行方が掛かっています。

売上高をSCの他にも百貨店、チェーンストア、ECを重ねると下記の通りとなります。

ECだけ、2023年の数字が発表されていないので2022年の数字を用いています。

このグラフを見て、それぞれ、立場によって見方が変わると思いますが、私が注視しているのが、「小売り」だけの数字ではないと言うことです。

飲食もサービスも含まれるこの数字

特にECは、物販だけでなく、ストリーミング技術を使った動画販売や旅行のブッキングや決済などアプリなどのテクノロジーの進化により大きく伸びています。

リアルに従事しているとどうしても「売上」は、物販に目が行きがちですが、これからの高齢化時代、物販以外がこのグラフ線にどれくらい含まれていくのか、そこが重要な視点になると思っています。

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株式会社 SC&パートナーズ

代表取締役西山貴仁

東京急行電鉄(株)に入社後、土地区画整理事業や街づくり、商業施設の開発、運営、リニューアルを手掛ける。2012年(株)東急モールズデベロップメント常務執行役員。2015年11月独立。現在は、SC企業人材研修、企業インナーブランディング、経営計画策定、百貨店SC化プロジェクト、テナントの出店戦略策定など幅広く活動している。小田原市商業戦略推進アドバイザー、SC経営士、宅地建物取引士、(一社)日本SC協会会員、青山学院大学経済学部卒。

Facebook:西山貴仁 -SC & パートナーズ-