SCアンドパートナーズ

VOL.980 「2023年6月業態別売上高」

2023年6月売上高、3業態の売上高実績

SC      +7.6%
百貨店     +7.0%
チェーンストア +2.1%

各業態ともプラス。

とはいえ、濃淡ある中でのプラスという感じです。

物価上昇による実質賃金の減少が報道されています。

この先、実質賃金を上げるためには何をしなければならないか、政治と企業と国民(労働者)、3者で真剣に考える時期ですね。

各団体からの報告は以下の通り。

【日本SC協会】

・6月度の既存SC売上高の前年同月比伸長率は、総合で+7.6%となった。
・前月からの新型コロナウイルス5類移行や、全国旅行支援、インバウンド需要増加などの影響により来館数が増え、前年超えとなった。

・コロナ禍前の2019年と比較すると総合で▲7.7%となっているが、立地別でみると北海道と九州・沖縄の中心地域、都市別でみると札幌市と福岡市で2019年を上回った

・立地別にみると、中心地域は総合で+11.8%、周辺地域は+5.9%となった。

・前月からの新型コロナウイルス5類移行で外出機運が高まったことや国内外の旅行客などが増加したことで、とくに中心地域の大都市が好調だった。

・業種別にみると、「ファッション」はプレセールや気温上昇により、夏物商材が高稼働した。

・「飲食」は旅行客の来館やコロナ感染対策緩和により、引き続き立地や地域問わず好調だった。

・「医薬・化粧品」はメイク用品が好調だった。

・「サービス」は外出機運の高まりにより、美容やアミューズメントが好調だった。

【百貨店協会】

1.売上高総額 4,412億円余

2.前年同月比(増減率)7.0%(店舗数調整後/16か月連続プラス)

3.調査対象百貨店 70社 181店 (2023年5月対比±0店)

4.総店舗面積 4,745,273㎡ (前年同月比:-3.4%)

5.総従業員数 52,214人 (前年同月比:-6.9%)

6.3か月移動平均値 11-1 月 7.1%、12-2 月 11.2%、1-3 月 14.6%、

(店舗数調整後) 2-4 月 12.4%、3-5 月 8.3%、4-6 月 7.3%

【特 徴】

・6月の売上高は7.0%増と16か月連続のプラスとなった。

・コロナ前の2019年比では5.1%減と前月とほぼ同水準で推移しており、回復基調は続いている。

・上旬は、台風や大雨による影響も見られたが、中旬以降の気温上昇や、外出機会増加、旅行ニーズなどにより、衣料品・服飾雑貨、化粧品が夏物商材を中心に好調に推移した。

・増勢が続く高付加価値商材に加え、円安効果と入国制限終了から高伸するインバウンドも売上を押し上げた。

・入店客数は3.5%増(16か月連続)、2019年比では19.7%減となった。

・顧客別では、インバウンドが、一段と高い伸びを見せ(前月比71.2ポイント上昇)320.3%増(15か月連続/シェア6.4%)、売上高280億円と、コロナ禍の2020年2月以降、最高額となった。

・2019年比でも0.8%減となり、ほぼコロナ前の水準に戻っている。国内市場は1.8%増(16か月連続/シェア93.6%)、2019年比5.3%減となった。

・地区別では、インバウンドと高額商材が好調な都市(10都市/21か月連続)が、9地区で前年実績を超え、10.1%増と二桁伸びを示したが、地方(10都市以外の7地区/2か月連続)は1.9%減となった。

・商品別では、主要5品目のうち4品目で前年をクリアし、身のまわり品(10.4%増)と雑貨(12.0%増)は二桁伸びを示した。

・好調が続くラグジュアリーブランドや時計、宝飾など高額商材の他、化粧品(18.7%増)は、インバウンド需要に加え、メイクアップや UV 関連商品が好調で、伸び率は前月よりさらに2.9ポイント上昇した。

・バッグ、靴、旅行用品の他、傘などレイングッズも好調だった。

・主力の衣料品は、ジャケット、カットソー、ワンピースなど夏物衣料を中心に動き、クリアランスも好調な滑り出しを見せている。

・食料品は、物産展などの食品催事や手土産需要から菓子、惣菜が引き続き好調だった。

・父の日商戦では、酒類や銘菓、カジュアルウエアなどが動いた。中元商戦前半は、各社、堅調に推移している。

【要 因】

(1) 天 候 : 気象庁発表「6月の天候」の特徴は以下のとおり(一部抜粋)

◇気温は北・東日本でかなり高く、西日本で高かった。降水量は東日本日本海側と東日本太平洋側でかなり多く、北日本日本海側と北・西日本太平洋側で多かった。日照時間は北日本太平洋側で多かった。

(2) 営業日数増減 29.9日(前年同月比 ±0.0日)

(3) 土・日・祝日の合計 8日( 〃 ±0.0日)

(4) 入店客数増減(回答店舗数で見る傾向値/前年同月比/有効回答数107店舗)

①増加した:46店、②変化なし:34店、③減少した:27店

(5) 6月歳時記(父の日、中元)の売上(同上/有効回答数76店舗)

①増加した:10店、②変化なし:49店、③減少した:17店

【チェーンストア協会】

※会員企業数 54社 / 店舗数 10,797店
※総販売額 1兆809億円   (店舗調整前) 101.9% (店舗調整後) 102.1%
<部門別の概況>
・食料品 7,537億円   (店舗調整前) 103.6% (店舗調整後) 103.7%
・衣料品 654億円   (店舗調整前) 97.7% (店舗調整後) 98.0%
・住関品 2,129億円   (店舗調整前) 103.6% (店舗調整後) 104.4%
・サービス 20億円   (店舗調整前) 92.4% (店舗調整後) 92.4%
・その他 467億円   (店舗調整前) 79.9% (店舗調整後) 79.3%

・令和5年6月度は、食料品は節約志向の高まりから買い控えが続いているが、店頭価格の上昇により農産品を除き売上は伸びた。

・衣料品は昨年の反動もあり動きが鈍かったが、住関品はまずまずの動きだったことから、総販売額の前年同月比(店舗調整後)はプラスとなった。

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株式会社 SC&パートナーズ

代表取締役西山貴仁

東京急行電鉄(株)に入社後、土地区画整理事業や街づくり、商業施設の開発、運営、リニューアルを手掛ける。2012年(株)東急モールズデベロップメント常務執行役員。2015年11月独立。現在は、SC企業人材研修、企業インナーブランディング、経営計画策定、百貨店SC化プロジェクト、テナントの出店戦略策定など幅広く活動している。小田原市商業戦略推進アドバイザー、SC経営士、宅地建物取引士、(一社)日本SC協会会員、青山学院大学経済学部卒。

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