SCアンドパートナーズ

VOL.871 「2022年11月、SC、百貨店、チェーンストア売上動向」

SC、百貨店、チェーンストアの2022年11月の売上高をグラフ化しました。

各団体からの発表は以下の通りです。

【日本SC協会】

引き続き旅行需要が高まるも、気温が高く重衣料が伸び悩む

前年同月比伸長率 +2.3%

<全体概況>

• 11月度の既存SC売上高の前年同月比伸長率は、総合で+2.3%となった。

• 行政による行動制限がなかったことや、前月に引き続き全国旅行支援で観光需要が高まったことで、来館者数が増え、前年超えとなった。

• 都心部を中心に回復してきたインバウンドも、売上増に寄与した。

• ただし、気温が高かったことでアウターなどの重衣料の動きが鈍く売上に影響したSCや、月後半の新型コロナウイルス第8波の影響により来館者数が減少したSCも見られた。

• 2019年と比較すると▲7.3%となり、コロナ禍前を下回っているが、マイナス幅は縮小してきている。

• 立地別に見ると、中心地域は総合で+5.9%、周辺地域は+0.7%となり、周辺地域が伸び悩んだ。

• 自粛意識の高まりから近隣のSCを利用していた客層が、時間と共に都市部など遠方へ足を伸ばしていることが伺える。

• 業種別に見ると、観光需要の高まりによって旅行客の来館者数が増え、飲食が好調だった。

• また、外出機会の増加により、靴や鞄などのファッション雑貨が好調だった。

• 一方、アウターなどの重衣料や防寒アイテムは、北海道を除いて全国的に気温が高かったため苦戦し、売上が伸び悩んだ。

【百貨店協会】

<特 徴>

• 11月の売上高は4.5%増、入店客数1.2%増と共に9か月連続プラスとなった。

• 中旬以降気温が高く推移したことと新型コロナ感染者数増加により、伸び率は前月より減少したが、引き続き活発だった高額消費と、前月の水際緩和で増勢に転じたインバウンドが牽引した。

• 各社企画の外商催事や物産展など食品催事も好評だった。

• コロナ前との比較では、消費増税の反動が残る2019年比では3.0%減、特殊要因のない2018年比では8.8%減だったが、2018年実績を超える店舗もあり回復基調は続いている。

【チェーンストア協会】

<全体の概況>

• 2022年11月度は、新型コロナウイルス感染症の感染再拡大が続く中、外出、外食の機会が増えたことにより内食化需要の減少傾向が見られたものの、店頭価格の上昇から食料品は昨年同月比では堅調に推移した。

• 衣料品は比較的気温が高かったことから季節商品の動きが鈍く、住関品は旅行・行楽需要関連商品などの動きが良かったこともあり、総販売額の前年同月比(店舗調整後)はプラスとなった。

※それぞれ前年を超えているもののコロナ前には届かず、という感じです。

過去に発表されたSCの売上高を2019年比にすると下記のグラフとなります。

先月(2022年10月)が消費税の関係で前年を超えましたが、当月(2022年11月)は2019年を下回りました。

鉄道事業者を始め多くの企業が、10%~15%コロナ前には戻らないのではないかと言っているのがあながち外れてはいないようです。

いつまでも自粛が続く日本では、リベンジ消費が到来することは無さそうです。

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株式会社 SC&パートナーズ

代表取締役西山貴仁

東京急行電鉄(株)に入社後、土地区画整理事業や街づくり、商業施設の開発、運営、リニューアルを手掛ける。2012年(株)東急モールズデベロップメント常務執行役員。2015年11月独立。現在は、SC企業人材研修、企業インナーブランディング、経営計画策定、百貨店SC化プロジェクト、テナントの出店戦略策定など幅広く活動している。小田原市商業戦略推進アドバイザー、SC経営士、宅地建物取引士、(一社)日本SC協会会員、青山学院大学経済学部卒。

Facebook:西山貴仁 -SC & パートナーズ-