SCアンドパートナーズ

市場のセグメントを考える

今月5日、ある地方銀行に対して金融庁から半年間の一部の業務停止命令を出したとの報。
同行はシェアハウスビジネスへの過剰な融資が記憶に新しいがこの事案を聞いて、「市場のセグメント」を思い出した。

市場のセグメントとは、市場を細分化すること。セグメンテーション。
この考え方は、市場は単一ではなく、何らかの特徴で細分化されることを指摘する。
例えば、人口を男女に分かれば2つに細分化される。(あくまで戸籍上)
既婚と未婚とライフステージで分けることも出来る。(これも戸籍上)
その他、年収とか、コンサバ、アグレッシブとか価値観でも細分化出来る。年齢での細分化は一歳刻みでの細分化も可能だ。
要は市場の特徴とボリュームを明確化することを目指す。

話をシェアハウスに戻す。
この市場のセグメントをシェアハウスに当てはめるとする。

住宅市場は、持ち家と賃貸住宅に分けられる。
その賃貸のうち、長期の住まいと短期の住まいに分けるとする。
短期の住まいをマンスリーマンションやウィークリーマンションや下宿やシェアハウスに分ける。(他にもある)
住宅市場もこうやって細分化することが出来る。

要するに「不動産投資市場」→「住宅市場」→「賃貸住宅市場」→「短期市場」→「シェアハウス」→「女性限定」とドンドン市場をセグメントしたことになる。

ここから分かるように市場のセグメントとは細分化すればするほど市場は小さくなる。当たり前。
では、果たしてシェアハウスの市場とはどの程度なのだろうか。
どの程度のマーケットボリュームをターゲットにしていたのだろうか。

聞くところによるとこのシェアハウスは、「女性限定」だったそうだ。
限りなくシェアハウスというニッチなマーケットを女性限定ともっと小さな市場にセグメントしてしまっている。
確かに女性限定シェアハウス、なんだか、オシャレだ。

しかし、この投資案件は30年の期間を前提にしてると言う。
この狭い市場が30年続くのか。とても考えにくい。
しかし、ここに借金までして1億円を投資した方もいる。
融資する銀行もこの市場が30年続くと考えたのだろうか。

テレビ番組で喧伝されたシェアハウスの流行りに乗ってしまったのか。
シェアハウスが悪い、と言うことでは無い。そのマーケットボリュームがどれほどあるか?である。
そして投資案件に仕立てるに相応しい不動産用途だったのか。

投資してしまった方たちのご苦労は相当のこととお察しする。
でも、もし、この市場のセグメントの知識があれば、融資する方も投資する方もこんなことにならなかったのではないのだろうか。
そして、このビジネスを企画した会社もどのように市場のセグメントを考えていたのだろうか。

ショッピングセンターでもターゲットを決める時、この市場のセグメント理論を使う。
しかし、この知識が無いままターゲット設定を行い、十分なボリュームの無い市場に入り込み、失敗するショッピングセンターも多いことも事実。
(私も経験がある)

意外にこういった座学も実務に役に立つこともあるもの。

投資された方たちの早い解決をお祈りする。

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株式会社 SC&パートナーズ

代表取締役西山貴仁

東京急行電鉄(株)に入社後、土地区画整理事業や街づくり、商業施設の開発、運営、リニューアルを手掛ける。2012年(株)東急モールズデベロップメント常務執行役員、渋谷109鹿児島など新規開発を担当。2015年11月独立。現在は、SC企業人材研修、企業インナーブランディング、経営計画策定、百貨店SC化プロジェクト、テナントの出店戦略策定など幅広く活動している。岡山理科大学非常勤講師、小田原市商業戦略推進アドバイザー、SC経営士、宅地建物取引士、(一社)日本SC協会会員、青山学院大学経済学部卒、1961年生まれ。

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