先日、 「SCでDXが進まない致命的な理由とは」と題して、日ごろ、誤解の多いと感じているDXについて私の考えを記載した。
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この連載は、DXを正しく理解するために書いたものだが、今朝(6月9日)の日経に好例が掲載されていたので、紹介したい。
まず、「ソニー、屋内の人流分析 スマホ・AI活用 小売販促後押し」という記事。
新たなサービスとして、スマートフォンのセンサーとAIとビーコンを使って、店内の人の位置、向き、滞在時間や移動経路などを調べると言う。
これまで入店者の数は入店者カウンターやカメラで捕捉出来たものの、人の向き、滞在時間、移動経路などは捕捉できなかった。
これが今後は捕捉できる。
このサービスは、「デジタイゼーション(デジタル化)」に当たる。
2つ目の記事
「スシロー、皿分析で廃棄減、20億皿データ、売上予測、仕込み調整 材料高備え」
ここでは、これまでスシローが蓄積してきた200億皿分のデータのうち20億皿のデータを使い、天気、時間帯、曜日などの情報を掛け合わせ店舗ごとの需要予測を行い、廃棄ロスを無くす取り組みを行うという。
日本における食品ロスは年間570万トン、そのうち、外食産業で103万トン。
これが減ることはSDGsの社会では歓迎されるべきこと。
この取り組みは、分析結果が他の業務フローに作用し、会社全体の経営効率を上げ、社会的価値を生む。まさしく「デジタライゼーション」
3つの目の記事は「「アマゾンのアパレル実店舗 開業 主役はハイテク試着室」
米アマゾンが5月下旬、初のアパレル専門店「Amazon・style」をロサンゼルスにオープンした。
ただ、このお店の仕組みはAmazonらしい取り組み。
店内に並べてあるのは、Amazonのサイトで蓄積された売れ筋データを使い、ワンサイズだけの陳列。
着てみたいものがあればスマホでスキャンして、指定のフィッティングルームに行くとマイサイズが届いている。
その時、フィッティングルームには、Amazonのサイトと同じように「これを選んだ人はこれも見ています」と「おススメ」の服も並んでいる。
詳しくはこちらのサイトで説明動画で。
https://www.amazon.com/b?ie=UTF8&node=23676409011
これが「DX」
「いらっしゃいませ」「何かお探しですか」「お手に取ってご覧ください」「試せますよ」「お似合いですよ」と進めてきたリアル店舗。
これをテクノロジーを使って、AmazonのECサイトと連動した店舗機能を変え、顧客利便性を高める。
新たなフォーマットの開発と顧客価値の実現。
このAmazonの取り組みで指摘出来るのは2つ。
1つ目は、売れない売れないと言われるアパレルにAmazonが参入したこと。
日本でもニトリがアパレルを広げているが、異業種の参入が今後は増えてくる予感がする。
2つ目は、ECサイトから発想するリアル店舗だと言うこと。
ECが主で、リアルが従。
D2Cもこの発想だが、今後はますますこの考え方が主流になる。
この3つの記事、すべてがうまく行くかどうかは分かりませんが、店舗では、多くのことにチャレンジしています。
店舗のデジタル化は相当進んできました。