SCアンドパートナーズ

Vol.637 「固定賃料化をもう少し捕捉します」

「SC賃料が固定賃料化する」ことは何年も前から指摘してきました。

そして、実際にここ数年、ネット社会を前提にした先進的なSCでは、固定賃料化は進んでいます。

ただ、中にはリーシングに苦しむあまり、歩合1本での交渉を余儀なくされることもあるのも事実です。

でも、それは、何か「SCのテナントはこれでなければならない」という暗黙の思い込みや定義を背負ってしまった結果ではないでしょうか。

そして、「売上高信仰」

売上高をその場所(区画)で上げなければいけないと言う思い込みはありませんか。

これまでのビジネスモデルは、そもそも普通借家契約時代に作られたものです。

でも、20年以上も前に普通借家ではなく、定期借家が標準となりました。

そして、ネット化の台頭。

そして、そして、コロナ禍。

ここ数年、これまでのビジネスモデルがいかに脆弱であったこともよく分かったのではないでしょうか。

人口の増加と中間層の増加、その消費額が増えなければ立ちゆかないビジネスモデル

もちろん、私もこれまで通り、テナントコミュニケーションとイベントで楽しく文化祭のようにSC運営が出来るにこしたことは無いと思っています。

でも、そうも行かない時代になってしまいました。

テナントコミュニケーション、接客ロープレ、モチベーションアップ、販促活動。

どれも大事だし、これからも無くなるとは思っていません。

ただ、そこに掛けている経営資源(人、時間、金)を少しだけ次の成長投資に回してはどうでしょうか。

これが私が一番主張したいこと、なのです。

ある方が「入社して9年間、同じことを繰り返しているのですが、これでいいのでしょうかSC」と言っていたのが印象的です。

社会に目を転じれば、次々と新サービスを出さないと一瞬にして消えていく企業がたくさんあります。

そこにSC事業も足を踏み入れたということだと思っています。

その1つのキッカケとして、気づきとして、ちょっとハレーションも承知で「固定賃料化」を明示したのです。

ウィズコロナ時代のショッピングセンター経営31 これからのSCが売上連動から「固定賃料」へ変わる必然とは

この記事を共有する

CONTACT USお問い合わせ

これまで問い合わせ用メールアドレスをこちらに記載していたのですが、最近、営業メールの数が看過できないほど増えてきており、大変心苦しいのですが一旦閉じさせて頂きたくことになりました。
事情ご賢察の上、ご理解くださいませ。

株式会社 SC&パートナーズ

代表取締役西山貴仁

東京急行電鉄(株)に入社後、土地区画整理事業や街づくり、商業施設の開発、運営、リニューアルを手掛ける。2012年(株)東急モールズデベロップメント常務執行役員。2015年11月独立。現在は、SC企業人材研修、企業インナーブランディング、経営計画策定、百貨店SC化プロジェクト、テナントの出店戦略策定など幅広く活動している。小田原市商業戦略推進アドバイザー、SC経営士、宅地建物取引士、(一社)日本SC協会会員、青山学院大学経済学部卒。

Facebook:西山貴仁 -SC & パートナーズ-