「SC賃料が固定賃料化する」ことは何年も前から指摘してきました。
そして、実際にここ数年、ネット社会を前提にした先進的なSCでは、固定賃料化は進んでいます。
ただ、中にはリーシングに苦しむあまり、歩合1本での交渉を余儀なくされることもあるのも事実です。
でも、それは、何か「SCのテナントはこれでなければならない」という暗黙の思い込みや定義を背負ってしまった結果ではないでしょうか。
そして、「売上高信仰」
売上高をその場所(区画)で上げなければいけないと言う思い込みはありませんか。
これまでのビジネスモデルは、そもそも普通借家契約時代に作られたものです。
でも、20年以上も前に普通借家ではなく、定期借家が標準となりました。
そして、ネット化の台頭。
そして、そして、コロナ禍。
ここ数年、これまでのビジネスモデルがいかに脆弱であったこともよく分かったのではないでしょうか。
人口の増加と中間層の増加、その消費額が増えなければ立ちゆかないビジネスモデル
もちろん、私もこれまで通り、テナントコミュニケーションとイベントで楽しく文化祭のようにSC運営が出来るにこしたことは無いと思っています。
でも、そうも行かない時代になってしまいました。
テナントコミュニケーション、接客ロープレ、モチベーションアップ、販促活動。
どれも大事だし、これからも無くなるとは思っていません。
ただ、そこに掛けている経営資源(人、時間、金)を少しだけ次の成長投資に回してはどうでしょうか。
これが私が一番主張したいこと、なのです。
ある方が「入社して9年間、同じことを繰り返しているのですが、これでいいのでしょうかSC」と言っていたのが印象的です。
社会に目を転じれば、次々と新サービスを出さないと一瞬にして消えていく企業がたくさんあります。
そこにSC事業も足を踏み入れたということだと思っています。
その1つのキッカケとして、気づきとして、ちょっとハレーションも承知で「固定賃料化」を明示したのです。