SCアンドパートナーズ

VOL.1094 「川崎市中央卸売場”北部市場”機能更新事業にお願いしたいこと」

かねてから進められていた川崎市中央卸売場”北部市場”機能更新事業の落札者が決定したとリリースされました。

出所 川崎市 https://www.city.kawasaki.jp/280/page/0000177180.html

ここは毎週のように出かける愛着のある場所なので、どのような事業者と計画になるのかとても気になっていました。

外観からも老朽化も心配され、建物内の回遊性も改善したいなー、と、いずれ更新が必要だろうと思っていました。

とは言え、公共施設なので、そう簡単に事は進まないだろうと思っていましたが、関係者の努力でリリースが出されるまで調整が進んだようです。

こういった公共施設の民活案件は幾度となく経験してきたので、関係者のご苦労がとても分かります。

このリリースにはこんな完成予想図が掲載されています

見ると「菅生緑地」まで開発エリアに含まれ広大な敷地になっています。

今の菅生緑地は人を寄せ付けないほど、鬱蒼(うっそう)と木が茂り、防犯上も良くないなー、と思っていたので、とても良いことだと思います。

市民の憩いの場所になることを期待します。

ここからは(一消費者の)お願いになるのですが、今回のリリースにはこんな絵も添付されていました。

完成予想図を拡大し、ゾーン名称を付しています。

この絵を見て感じたのは、「管理志向になってないかな」です。

それぞれの機能が、担当(管理者)別に切り分けられ、それぞれの運営がなされるのでは?という心配を持ちました。

どうしても開業後の管理を考えると、機能別、事業者別、営業時間別、利用者別、とそれぞれに区画線、リースライン、管理区域を設定し、運営がなされるものです。

これは、運営をやったことがある人には良く分かることと思いますが、どうしても責任区分を分けることになる。

仕方ないと言えば仕方がない。

でも、せっかくの大規模開発、是非、敷地全体を回遊出来て、楽しい場所にして欲しいと思います。

出来れば、敷地全体を回遊するサーキット動線が欲しい。

まず、①このサーキット動線を設定し、②そこに機能を配置する、そんな順番でマスタープランを考えていただけるとうれしく思います。

市場は、菅生緑地に比べると敷地の地盤面が低く、その高低差を利用してアンダーパスすることも一案だと思いますし、土地区画整理法を使って道路などの公共施設の改変も検討の範囲かと思います。

「事業計画も分からずに何を言っている!」

と怒られそうですが、これから検討が進む中で是非、管理志向に陥らず、市民の憩いの場所となるよう創意工夫、知恵を絞って良い開発にしてください。

川崎市、事業者の皆さん、期待しています!

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株式会社 SC&パートナーズ

代表取締役西山貴仁

東京急行電鉄(株)に入社後、土地区画整理事業や街づくり、商業施設の開発、運営、リニューアルを手掛ける。2012年(株)東急モールズデベロップメント常務執行役員。2015年11月独立。現在は、SC企業人材研修、企業インナーブランディング、経営計画策定、百貨店SC化プロジェクト、テナントの出店戦略策定など幅広く活動している。小田原市商業戦略推進アドバイザー、SC経営士、宅地建物取引士、(一社)日本SC協会会員、青山学院大学経済学部卒。

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