SCアンドパートナーズ

VOL.1043 「2024年12月の売上高実績」

2024年12月の売上高の状況です。

各業態の前年比は下記の通り、すべてがプラス

SC  +5.3%

百貨店 +2.8%

チェーンストア +3.0%

下記グラフは、コロナ禍が始まった2020年からの動き

コロナ明けの反動消費は落ち着くものの物価上昇や一部の都市部のインバウンド需要もあり、プラスに推移しています。

下記グラフは直近1年間の対前年の推移

曜日合わせが悪かった2024年10月を除いて順調に推移

下記グラフは、SC売上の2019年比の推移

この1年間、2019年を超え続けているように見えます。ただし、本数値はSC協会から発表される数値(SCの一部)を引用しており全数では無いので正確性は劣ることを注意ください。

各業界団体からの発表は以下の通りです。

【日本SC協会】

気温低下により冬物商材が好調。館の販促施策やプレセールも後押し

前年同月比伸長率 +5.3

<全体概況>

・12月度の既存SC売上高の前年同月比伸長率は、総合で+5.3%となった。

・気温が低下したことに加え、館の販促施策やプレセールにより冬物商材が好調だった。

・立地別にみると、中心地域は総合で+7.5%、周辺地域は同+4.2%となった。

・中心地域は大都市を中心にインバウンド客による高単価商材が稼働し、売上げを押し上げた。

・周辺地域はテナントの新規出店があったSCや、レジャー需要にも対応する広域商圏型SCが好調だった。

・ 業種別にみると、「ファッション」は気温低下が進んだことでアウターなどの重衣料のほか、マフラーやタイツなどの防寒アイテムが稼働した。

・「その他物販」はキャラクター雑貨のほか、化粧品やクリスマスギフトが好調だった。

・「食料品」はクリスマス需要や、年末のまとめ買い需要がみられた。

・「飲食」は国内外観光客や帰省客の来館、忘年会需要があったSCで好調だった。

・年末年始の動向としては、レジ客数・売上高・客単価ともに前年より増加したSCが多く、とくに大晦日は生鮮食品が盛況だった。

・年末は、大晦日に館全体や一部テナントで時短営業とするSCがみられた。

・年始の初売りでは食物販の福袋が人気だった。

【百貨店協会】

1.売上高総額 6,616億円余

2.前年同月比(増減率)

(1)全 国 2.8%(店舗数調整後/2か月連続プラス)

①10都市(10 地区) 4.0%(39か月連続プラス)

②10都市以外(7 地区) -1.1%(店舗数調整後/3か月連続マイナス)

(2)国 内 0.6%(店舗数調整後/2か月連続プラス)

(3)インバウンド(免税売上) 31.1%(店舗数調整後/33か月連続プラス)

※[参考]2019年比(売上高増減率)は、6.2%(店舗数調整後)

【特 徴】

・12 月の売上高(2.8%増)は、2 か月連続のプラスとなった。

・インバウンドと、宝飾品等高額商材や化粧品が高伸した他、気温低下に伴う冬物需要の高まりから、主力の衣料品が伸長した。

・外商催事や物産展など各社のイベント施策も奏功し、年末商戦は活況を呈した。

・季節商材のおせちやクリスマスケーキも好調に推移した。

インバウンド(免税売上):円安傾向が進む中、売上高 625 億円(31.1%増/33 か月連続/シェア 9.5%)、購買客数 59.9 万人(36.6%増)と、共に 12 月として過去最高。

・購買客数は、調査開始(2014 年 10 月)以来、過去最多(2024 年 6 月:57.9 万人)を更新。

・国内市場:2 か月連続で前年実績を確保。売上に占めるシェアは 90.5%と前月より 0.5 ポイント拡大。

・高付加価値商材と、冬物衣料や防寒アイテムが好調。

・都市(10 都市): 8 地区で対前年プラス。

・インバウンド需要とラグジュアリーブランド等高額商品、衣料品が牽引。

・美術・宝飾・貴金属と化粧品は二桁増と伸長。

・地方(10 都市以外の 7 地区): 近畿地区を除く 6 地区でマイナスとなり 3 か月連続減。

・身のまわり品と食料品は苦戦したが、衣料品と雑貨は前年実績を超えた。

・商品別:主要 5 品目のうち、衣料品、身のまわり品、雑貨、家庭用品の 4 品目で対前年プラス。

・衣料品は、天候要因等により、重衣料や防寒アイテムが好調。

・時計など宝飾品やアクセサリーも伸長した他、化粧品ではクリスマスコフレ、フレグランスが好調。

・食料品は物価高の影響もあり、生鮮食品のマイナスが大きく影響した。

【チェーンストア協会】

※総販売額 1兆3,025億円   (店舗調整前) 95.9% (店舗調整後) 103.0%
<部門別の概況>
・食料品 8,983億円   (店舗調整前) 95.6% (店舗調整後) 104.5%
・衣料品 662億円   (店舗調整前) 87.7% (店舗調整後) 93.3%
・住関品 2,663億円   (店舗調整前) 99.1% (店舗調整後) 103.9%
・サービス 29億円   (店舗調整前) 97.0% (店舗調整後) 99.6%
・その他 686億円   (店舗調整前) 95.2% (店舗調整後) 94.5%

・令和6年12月度は、食料品は節約志向から買上点数の減少傾向が続いているが、農産品の相場高、店頭価格上昇の影響などもあり販売額は伸びた。

・衣料品は季節商品を中心に動きが鈍かったが、住関品の動きが良かったことから、総販売額の前年同月比(店舗調整後)はプラスとなった。

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これまで問い合わせ用メールアドレスをこちらに記載していたのですが、最近、営業メールの数が看過できないほど増えてきており、大変心苦しいのですが一旦閉じさせて頂きたくことになりました。
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株式会社 SC&パートナーズ

代表取締役西山貴仁

東京急行電鉄(株)に入社後、土地区画整理事業や街づくり、商業施設の開発、運営、リニューアルを手掛ける。2012年(株)東急モールズデベロップメント常務執行役員。2015年11月独立。現在は、SC企業人材研修、企業インナーブランディング、経営計画策定、百貨店SC化プロジェクト、テナントの出店戦略策定など幅広く活動している。小田原市商業戦略推進アドバイザー、SC経営士、宅地建物取引士、(一社)日本SC協会会員、青山学院大学経済学部卒。

Facebook:西山貴仁 -SC & パートナーズ-