SCアンドパートナーズ

VOL.1083 「2024年1月、売上状況」

2024年1月、業態別の売上高推移は皆プラスに。

SC +5.1%

百貨店 +7.1

チェーンストア +1.9

下記のグラフはコロナ禍の始まった2020年1月からの推移

下記のグラフは、直近1年間各月の対前年比

下記グラフはSCの2019年同月比の推移

※本グラフは日本SC協会が毎月発表する月額売上高を集計しグラフ化したもの。日本SC協会の行う店舗調整は行っていないため、同協会の発表とはズレが生じます。

下記は各団体からの発表

【日本SC協会】

・既存SC前年同月比売上高伸長率 :+5.1%

・暖冬で冬物衣料が苦戦するも、食料品や飲食でカバーし前年を上回る。

(全体概況)

・1月度の既存SC売上高の前年同月比伸長率は、総合で+5.1%となった。

・全国的に暖冬となったことで、冬物衣料の動きが鈍かったSCが多かった。

・初売りやセールで一時的に盛り上がりをみせたものの、月を通してその勢いが持続しなかったとの声がきかれた。

・そのような中、飲食業種が新年会などのグループ利用で売上げを牽引し、前年超えとなった。

・立地別にみると、中心地域は総合で+7.9%、周辺地域は+3.9%となった。

・なかでも中心地域の大都市では、インバウンド客や年始のセールでにぎわいをみせたSCが多く、好調だった。

・業種別にみると、「ファッション」は暖冬によりアウターなどの冬物重衣料や防寒アイテムの動きが鈍かった。

・「食料品」は食物販の福袋人気の高まりや帰省の土産需要で好調だった。

・「医薬・化粧品」はインバウンド需要や初売り施策を行った店舗で好調だった。

・「飲食」は新年会や家族連れなどのグループ利用、国内外旅行客や近隣イベント参加客の来館などにより好調だった。


【百貨店協会】

1.売上高総額 4,593億円余

2.前年同月比(増減率)7.1%(店舗数調整後/23か月連続プラス)

3.調査対象百貨店 72社 180店 (2023年12月対比±0店)

4.総店舗面積 4,678,594㎡ (前年同月比:-3.3%)

5.総従業員数 50,563人 (前年同月比:-6.3%)

6.3か月移動平均値 6-8月 9.0%、7-9月 9.8%、8-10月 8.8%、 (店舗数調整後) 9-11月 7.5%、10-12月 6.2%、11-1月 6.5%

(特徴)

・1月の売上高は7.1%増、入店客数も5.2%増と、共に23か月連続のプラスとなった。

・一部店舗において能登半島地震による影響も見られたが、インバウンドと高付加価値商材が牽引した他、コロナ5類移行で行動制限が無くなった初商は堅調で、各社が企画した物産展等の催事やイベントも奏功した。

・コロナ前の売上高(2020年比)でも0.2%増とプラス基調は継続している。

・顧客別では、円安などを追い風にインバウンドが105.9%増(22か月連続/シェア8.7%)の399億円と1月として過去最高(2020年1月316億円)を更新し、2020年比でも25.7%増と好調に推移した。

・国内市場も2.4%増(23か月連続/シェア91.3%)とプラスを維持している。

・地区別では、インバウンドが好調な都市(10都市/9.2%増/28か月連続)が9地区で前年実績を超え、この内、5地区(福岡、大阪、札幌、神戸、京都)で二桁増を示した。

・インバウンド需要が徐々に浸透してきた地方(10都市以外の7地区/0.4%増)も、2か月ぶりにプラスに転じた。

・商品別では主要5品目全てで前年をクリアし、身のまわり品、雑貨、美術・宝飾・貴金属、食料品、菓子はコロナ前の実績も超えた。

・特に、ラグジュアリーブランドのバッグや時計、宝飾品など高額商材は、依然需要の強さに変化なく増勢が続いている。

・化粧品はインバウンドの押し上げ効果などもあり高伸した。

・主力の衣料品は天候与件から防寒着が苦戦したものの、クリアランス期間にもかかわらず、ジャケットやニット、カットソー等のプロパー商材が健闘した。

・食料品は2か月ぶりにプラスに転じた。

・ギフトや手土産、インバウンド需要などから菓子が牽引した他、食品関連の福袋も伸長した。

・バレンタイン商戦では、WEBによる先行予約の他、多様化する需要を捉えた商品展開や関連スイーツ、イートインなどリアル会場でのイベントも好評で、好調な滑り出しを見せた。

【チェーンスト協会】

※会員企業数 54社 / 店舗数 10,845店
※総販売額 1兆1,375億円   (店舗調整前) 101.2% (店舗調整後) 101.9%
<部門別の概況>
・食料品 7,908億円   (店舗調整前) 103.2% (店舗調整後) 103.5%
・衣料品 610億円   (店舗調整前) 96.6% (店舗調整後) 97.0%
・住関品 2,122億円   (店舗調整前) 95.3% (店舗調整後) 98.1%
・サービス 23億円   (店舗調整前) 102.9% (店舗調整後) 102.8%
・その他 710億円   (店舗調整前) 102.0% (店舗調整後) 101.2%

・令和6年1月度は、食料品は節約志向から買上点数の減少が続いている中、店頭価格上昇でカバーしていることから売上は良かった。

・衣料品は気温高で推移したことから動きが鈍く、住関品も動きが鈍かったが、総販売額の前年同月比(店舗調整後)はプラスとなった。

以上

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これまで問い合わせ用メールアドレスをこちらに記載していたのですが、最近、営業メールの数が看過できないほど増えてきており、大変心苦しいのですが一旦閉じさせて頂きたくことになりました。
事情ご賢察の上、ご理解くださいませ。

株式会社 SC&パートナーズ

代表取締役西山貴仁

東京急行電鉄(株)に入社後、土地区画整理事業や街づくり、商業施設の開発、運営、リニューアルを手掛ける。2012年(株)東急モールズデベロップメント常務執行役員。2015年11月独立。現在は、SC企業人材研修、企業インナーブランディング、経営計画策定、百貨店SC化プロジェクト、テナントの出店戦略策定など幅広く活動している。小田原市商業戦略推進アドバイザー、SC経営士、宅地建物取引士、(一社)日本SC協会会員、青山学院大学経済学部卒。

Facebook:西山貴仁 -SC & パートナーズ-