2023年11月のショッピングセンター、百貨店、チェーンストアの売上推移は下記の通り。
SC +8.9
百貨店 +7.4
チェーンストア +3.7
全業態でプラスに。
コロナ禍も落ちることのなかったチェーンストアの数字ですが、コロナ禍を明けてもプラスを続ける力強さを感じます。
生活必需品、最寄り品、利便性、実需は底堅い。
各業界団体からのコメントは以下の通り。
【日本SC協会】
・SC販売統計調査報告2023年11月
・既存SC前年同月比売上高伸長率 :+8.9%
・月後半から気温が下がったことで冬物衣料が稼働し、セールや販促施策が売上げを後押ししたことで前年を上回る11月度の既存SC売上高の前年同月比伸長率は、総合で+8.9%となった。
・ 月前半は気温が高かったことにより衣料品の動きが鈍かったSCが多かったが、月後半に気温が低下したことでアウターなどの冬物衣料が稼働した。
・また、同時期にブラックフライデーや大型専門店のセール、館のポイント施策などが重なったことで売上げにつながり、前年超えとなった。2019年比は総合で▲0.1%だった。
・ 立地別にみると、中心地域は総合で+11.5%、周辺地域は+7.8%となった。
・国内外の旅行客などの来館により、とくに中心地域の大都市が好調だった。
・ 業種別にみると、「ファッション」は月後半から気温が低下したことで、アウターなどの重衣料やブーツなどの冬物商材が稼働した。
・「飲食」は会社などの飲み会需要が復活してきているとの声がきかれた。
・「サービス」はリラクゼーションや旅行関連が好調だった。
【百貨店協会】
1.売上高総額 5,023億円余
2.前年同月比(増減率)7.4%(店舗数調整後/21か月連続プラス)
3.調査対象百貨店 72社 180店 (2023年10月対比±0店)
4.総店舗面積 4,678,842㎡ (前年同月比:-3.3%)
5.総従業員数 51,005人 (前年同月比:-6.4%)
6.3か月移動平均値 4-6 月 7.3%、5-7 月 7.4%、6-8 月 9.0%、(店舗数調整後) 7-9 月 9.8%、8-10 月 8.8%、9-11 月 7.5%
・11月の売上高は7.4%増と、前月より1.3ポイント上昇し21か月連続のプラスとなった。
・コロナ前の2019年比で見ても4.1%増と、回復基調は継続している。
・中旬以降の気温低下に伴って、防寒衣料等季節商材が動いた他、高伸が続く高付加価値商材とインバウンドが牽引した。
各社が企画した催事やイベントも寄与し、入店客数は7.4%増(21か月連続)と伸長した。
・顧客別では、インバウンドが、円安を追い風に125.1%増(20か月連続/シェア7.9%)の394億円と、前月の過去最高額(383億円)をさらに更新し、累計(本年 1~11 月)で既に3,000億円を超えた。
・2019年同月(261億円)比では、前月より1.3ポイント上昇の51.0%増と、5か月連続でコロナ前の実績を上回っている。
・国内市場も2.8%増(21か月連続/シェア92.1%)と好調を維持しており、2019年比でも1.5%増となった。
・地区別では、インバウンドと高額商材が好調な都市(10都市/26か月連続/9.7%増)が、9地区で前年実績をクリアし、内4地区(大阪、京都、福岡、札幌)は二桁増となった。
・インバウンドが徐々に増加している地方(10都市以外の7地区/0.6%増)においても、4地区で対前年増となり、2か月ぶりにプラス転換して、都市と地方の差は前月より2.5ポイント縮小した。
・商品別では、主要5品目全てで前年実績を超え、身のまわり品と雑貨、美術・宝飾・貴金属と菓子がコロナ前の実績を上回った。
・ラグジュアリーブランドなどの高額品と化粧品は国内外共に好調だった他、主力の衣料品は、天候与件などからコートなどの重衣料や、マフラー・手袋など防寒アイテムも稼働した。
・菓子は、手土産やお歳暮、進物需要などから27か月連続で増勢が続いており、おせちやクリスマスケーキの予約も堅調に推移している。
・新型コロナ5類移行後、初となる年末商戦では、各社とも業績回復に向けた様々な施策を展開している。
【チェーンストア協会】
※会員企業数 54社 / 店舗数 10,822店
※総販売額 1兆1,286億円 (店舗調整前) 103.20% (店舗調整後) 103.70%
<部門別の概況>
・食料品 7,756億円 (店舗調整前) 104.50% (店舗調整後) 104.60%
・衣料品 630億円 (店舗調整前) 103.50% (店舗調整後) 103.50%
・住関品 2,247億円 (店舗調整前) 100.10% (店舗調整後) 102.20%
・サービス 25億円 (店舗調整前) 100.70% (店舗調整後) 100.60%
・その他 626億円 (店舗調整前) 99.60% (店舗調整後) 98.90%
令和5年11月度は、食料品は節約志向から買い控えの傾向が続いている中、農産品が相場高の影響から堅調に推移し、食料品全体では店頭価格の上昇もあり売上は良かった。
衣料品は気温の低下ともに季節商品が動き始め、住関品はまずまずの動きだったこともあり、総販売額の前年同月比(店舗調整後)はプラスとなった。
以上