2023年8月のショッピングセンター、チェーンストア、百貨店の売り上げ状況です。
【前年同月比】
SC +12.2%
百貨店 +11.8%
チェーンスストア +3.4%
3業態、すべてプラス。
これを重ねたグラフは下記の通りです。
下記は、2020年1月(コロナ禍)での推移
これを直近1年間に直すと、
5類以降、順調に回復しているよう見えます。
ただ、SCはやや失速
このデータは、SC協会の発表している数値を単純に引用しているので、店舗調整や何らかの異常値など加味されていないので、その点はご注意ください。
では、これからどうなるのか。
実はよく分からない。
内閣府のデータを見るとこのような動きになります。
コロナ禍に入り、防衛意識から貯蓄率が高くなり、59兆円が家計に積みあがっているとも言われます。
でも、その貯蓄率は相当に低下。
この支出が、一般消費に回るのか。
欧米のような「リベンジ消費」を起こすのか。
いずれにしても、コロナ禍から通常に戻ったのが一年遅い日本。
リベンジ消費は、これからのようです。
下記は、各団体からの発表です。
【日本SC協会】
・8月度の既存SC売上高の前年同月比伸長率は、総合で+12.2%となった。
・新型コロナウイルス5類移行後の初めての夏休みとなり外出機運が高まり、夏まつりや花火大会などの地域イベントやインバウンド客増加などの影響により、来館数が増えた。
・2019年と比較すると総合で▲6.2%となり、コロナ禍前は下回った。
・立地別にみると、中心地域は総合で+18.9%、周辺地域は+9.4%となった。
・夏休みや館周辺でのイベント開催による来館増により、中心地域・周辺地域ともに好調だった。
・国内外の旅行客などが増加したことで、とくに中心地域の大都市が好調だった。
・業種別にみると、「ファッション」は連日の猛暑により前月に引き続き盛夏商材が高稼働し、セール品の消化が進んだとの声がきかれた。
・「医薬・化粧品」はインバウンド客のまとめ買いがみられたほか、猛暑により紫外線対策商品が好調だった。
・「その他物販」は、帰省手土産として食料品のほか、プチギフトなどの雑貨が好調だった。
・「飲食」は大都市・中都市を中心に、旅行客やお盆の帰省客など家族連れが目立ち、好調だった。
【百貨店協会】
・8月の売上高は11.8%増、入店客数13.3%増と、共に18か月連続のプラスとなった。
・一部店舗で台風による休業や営業時間短縮などの影響も見られたが、増勢が続く高付加価値商材に加え、旅行や帰省など外出機会の増加や、連日の猛暑による盛夏アイテムの活況などが業績拡大に寄与した。
・円安効果を背景に高伸するインバウンドも売上を押し上げた。また、夏休みのファミリー催事や、趣味性の高いイベント、食品催事等も奏功した。
・コロナ前の2019年比売上高は4.2%減となったが、回復基調は続いている。
・顧客別では、インバウンドが244.4%増(17か月連続/シェア8.2%)と高い伸びを示し、売上高は比較可能な調査開始(2014年10月)以来、過去4番目に高い317億円となった(過去最高は2019年4月/344憶円)。
・コロナ前の実績も大きく超えており、2019年比では前月より12.7ポイントアップの24.1%増となった。
・国内市場は5.5%増(18か月連続/シェア91.8%)2019年比では6.1%減となった。
・地区別では、全地区で前年実績をクリアした。インバウンドと高額品が好調な都市(10都市/23か月連続)は14.2%増、地方(10都市以外の7地区/2か月連続)は4.7%増と、共に前月より3ポイント以上伸長した。
・なお、地方においてもインバウンド売上は徐々に増加している。
・商品別では、前月に続き、主要5品目全てで前年実績を超えた。
・特に、ラグジュアリーブランドを中心に身のまわり品は高い伸びを示しており、コロナ前の実績も超えている(2019年比19.6%増)。
・主力の衣料品は、猛暑により盛夏商材が動き、化粧品は国内外共に好調で、増勢が続いている。食料品は、帰省や旅行、手土産需要から菓子が伸長した。
・集う機会の増加などから、レストランやビアガーデンも好調で、食堂喫茶は約3割増(29.7%増)となった。
【チェーンストア】
・令和5年8月度は、依然として食料品は節約志向の高まりから買い控えが続いているが、店頭価格の上昇もあり水産品を除き売上は伸びた。
・衣料品は高気温の影響もあり季節商品の動きが良く、住関品の動きも良かったことから、総販売額の前年同月比(店舗調整後)はプラスとなった。
※百貨店協会のコメントに「主力である衣料品は」とありますが、これからは衣料品でない主力が必要ですね。(西山)