SCアンドパートナーズ

VOL.901 「ファストファッション、成功の3つの秘訣」

世界中に多くのファストファッションがある。

あくまで私見だがその成功には、3つの秘訣があると思っている

それは、

1 ファミリー対応であること

商品構成が、男性、女性、子供までカバーし、老若男女に対応していること。

H&M、ZARA、UNIQLO、無印良品などすべてにつながりますね。

この理由は、商品やブランドが顧客を選ばないこと、選ぶのは顧客側にある。

2 低価格(リーズナブル・プライス)であること

このテーマも上につながりますが、多くの人が手に取ることが出来ること。

ブランドが顧客を選ばない。

3 少しの差別化があること

これを聞いて、「H&M、ZARA、無印良品、UNIQLO、全然違うよ」と言う方もいると思う。

でも、それらブランドのシャツやニットを買って、家で1品ずつ並べてみて、どれがどれか分かるだろうか。

そこにイトーヨーカドーや西友のポロシャツを並べてもいい。

恐らく、それほど違わないはず。

ところが、お店に行くと、「店舗内装、VMD、刺し色の商品、一部変わった商品」などによって全然違う商品に見える。

でも、単品になるとそう違わない。

そう、多少の差別化。

これも1や2と通じること。

ベーシックな商品がほとんどで多くの人が手に取ることが出来る一方、少しの差別化が顧客満足につながる

<ファッションの隆盛>

1国において、ファッションが売れ始めるのは、経済成長が始まり、年収5万ドル程度の中産階級が生まれることと比例する。

中産階級の勃興だ。

日本では、昭和40年代以降、「国民生活に関する意識調査」で「自分は中の中」と答える人が最も多くなった時代。

このころから百貨店の隆盛が始まる。

そして、ベビーブーマー(日本では団塊世代、団塊ジュニア世代)の登場により、旺盛なファッション需要が生まれる。

そこにやってきたGAPやその他外資ブランド。

そして、ファストファッションの登場。

でも、少子高齢化が進み、コロナ禍もあり、近年では撤退も多く、ファッションもさえない。

日本からの撤退の1つがフォーエバー21だったわけだが、ここへ来て国内大手アパレルメーカーが再上陸にチャレンジ。

元気のないファッション市場にとって朗報に違いない。

でも、前出のファストファッション成功の秘訣。

1 ファミリー対応であること。
2 低価格であること。
3 少しの差別化であること。

この3つに照らすと、撤退したフォーエバー21は、ファミリー対応では無かったし、かなりの差別化をしていた。

だからターゲットがセグメントされ、多くをカバーできなかった。

結果、ブランドが顧客を選ぶことに。

その他、経営的には内部事情を知らないので、ここでは言及できないが、何らかの齟齬もあったのか。

そして、今回のフォーエバー21は、ターゲットは10代後半から30代前半と聞く。

価格も大量生産、大量消費、大量廃棄を前提にしないサスティナブルを前提に考えると言う。

ということは、既にファストファッションではなく、これまでのファッション市場への参入ということになる。

これまで、多くの経験を積んだ同企業が、このマーケットでどのように行動するのか、興味津々で昨日のPOPUPを見てきました。

ちなみに下記は日本の人口構成比。

20代30代女性は全体の10.35%しかありません。

今回は、難しいチャレンジだと思います。

でも、チャレンジしないとどんどん業界がシュリンクしてしまう。

更なる成長を期待しています。


※総務省統計局発表数値を西山集計加工したものです。
出所https://www.stat.go.jp/data/jinsui/2021np/index.html#:~:text=15%E6%AD%B3%EF%BD%9E64%E6%AD%B3,%E6%9C%80%E9%AB%98%E3%81%A8%E3%81%AA%E3%81%A3%E3%81%A6%E3%81%84%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82

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株式会社 SC&パートナーズ

代表取締役西山貴仁

東京急行電鉄(株)に入社後、土地区画整理事業や街づくり、商業施設の開発、運営、リニューアルを手掛ける。2012年(株)東急モールズデベロップメント常務執行役員。2015年11月独立。現在は、SC企業人材研修、企業インナーブランディング、経営計画策定、百貨店SC化プロジェクト、テナントの出店戦略策定など幅広く活動している。小田原市商業戦略推進アドバイザー、SC経営士、宅地建物取引士、(一社)日本SC協会会員、青山学院大学経済学部卒。

Facebook:西山貴仁 -SC & パートナーズ-