ショッピングセンターに限らず、建築物などを建設する際、または、何らかのプロジェクトを進める際、「ハードよりソフトが重要だ」とよく聞く。
本当にそうだろうか、と思うこともしばしば。
その典型例が「キャナルシティ博多」
キャナルシティ博多が開業したのは1996年
今から25年前
でも、その姿に全く古びれた様子は無い。
管理が行き届いているということもあるが、やはりこのデザイン性の高さにある。
顧客動線にはやや難はあるが、外観や空間や視線や、すべてが非日常。
ショッピングセンターを計画する際、収支計画には「坪〇〇万円」という建設コストと、それに掛ける〇%という設計監理料を計上する。
でも、そこには「デザイン料」という費目が計上されることは少ない。
しかし、同じ建設コスト、仮に坪50万円の建築物を造った場合とデザイン性を高めた建築物を造った場合とでは、同じ坪50万円の価値が全く変わる。
仮に10,000坪の施工床なら×500,000円で総工費50億円
仮にデザインに支出したとしても、この建設総額に比べたら小さい。
昔から日本では形の無いものにお金を払わないと言う。
アイディアとか、デザインとか。
でも、ここにフォーカスするだけで、同じ建設コストの建築物は見違える。
要するに、
デザイン→ソフト
建築物→ハード
環境→ソフト
顧客動線→ハード
提供価値(テナントミックスなど)→ソフト
などなど。
ハードとソフトは、常にパラレルで並行。
そう、どちらも大事なのです。
これを強く感じたのは、たまプラーザテラスの開発の時。
それまでの概念も定義もすっ飛んでしまったデザインが出てきて圧倒。
外観のデザイン性と車の誘導と顧客動線と従業員のバック動線と、そして土地の高低差、すべてを解いてきたデザイン。
このデザインを手がけた方の言葉は「商業施設は成功して初めて良いデザインです」
やっぱり、大切なのは、「商業施設の評価はお客様が判断するもの」
お客様から評価されてのショッピングセンターですね。
「ソフトか、ハードか、議論」
どちらにも軍配が上がります。